「発酵を科学する」アイディア・コンテスト、最優秀賞は八戸高専のチームに。

2017.8.25

最優秀賞 新毛(しんけ)実結さん

主催者代表 小笠原教授

プレゼンターと審査員一同

  全国の高等専門学校(高専)生を対象とした「発酵を科学する」アイディア・コンテストの最終審査会が、8月22日(火)全国高専フォーラムの中で開催(会場:長岡技術科学大学)。15高専39チームからアイディアの応募があり、最終審査に残った7チームの中から6チームの高専生がアイディアを披露した。
 このコンテストは初めての開催で主催者代表の小笠原教授(長岡技術科学大学)は、「バイオコンテストを開催したいという10年前からの思いをようやく実現できた。今回は“発酵”をキーワードとしたコンテストで、地球上の99%が未知である微生物を利用する新たな可能性を開くアイディアがたくさん応募された」と話す。最終審査に挑んだ各チームの高専生は、80名程が詰めかけた会場の目の前に座る5名の審査員に対し順番にスライドを使ったプレゼンテーションを行い、各審査員からの厳しい質問にもはっきりと答えていた。
 審査の結果、見事最優秀賞に輝いたのは、八戸高専から応募の新毛実結さん、横浜希さん。「太古の神秘 ~モール温泉の黒さの謎に迫る~」と題し、日本一“黒い”温泉の魅力の源となるフミン酸を生み出す微生物を調査しその起源にも迫るとするアイディア。プレゼンテーションをした新毛さんは、このアイディアで青森の素晴らしいモール温泉を広める一役を担えればと、その思いを語っていた。優秀賞には、呉高専微生物研究同好会の糸入祐也さん、元川大輔さん、加藤梨乃さんのチームと旭川高専の中山優太さん、吉田啓貴さんの2チームが選ばれた。入賞した3チームは、9月に開催される高専生サミット(沖縄)でも発表の予定。


■最終審査プレゼンチーム・アイディア(発表順)
・微生物研究同好会(呉工業高等高等専門学校)
  「新規電気発酵微生物の分離培養」
・しょうゆ〜(熊本高等専門学校)
  「赤酒にならう煮物用しょうゆの提案」
・函館高専花酵母チーム(函館工業高等専門学校)
  「花のイメージを生かす製品のブランド化支援」
・八戸高専(八戸工業高等専門学校)
  「太古の神秘 ~モール温泉の黒さの謎に迫る~」
・那佐出英明(高知工業高等専門学校)
  「碁石茶に含まれる新規微生物の探索および植物性乳酸菌の効率的培養法の検討」
・中山優太(旭川工業高等専門学校)
  「アイヌの保存食をカガクする」


■審査員
・認定特定非営利活動法人 綜合画像研究支援(略称IIRS)理事長
   大隅 正子 氏
・学校法人北里研究所 北里大学 北里生命科学研究所 名誉教授
   高橋 洋子 氏
・Office 天羽 代表、TGA取締役会長、元デュポン株式会社 名誉会長
   天羽 稔 氏
・九州大学名誉教授
   久原 哲 氏
・(国研)産業技術総合研究所 生命工学領域研究戦略部長
   鎌形 洋一 氏
・協和発酵バイオ株式会社 渉外部マネージャー
   中川 智 氏

(岸本真一)