電気電子情報工学専攻 准教授

宮崎 敏昌


ロボットカー


NTIC:今日はお忙しい中、インタビューの時間をいただきありがとうございます。先生の研究について、お聞きしていきたいのですが。

宮崎:私、基本的には、メカトロ関係の、こんな感じの(図1)をしています。これは、完全に、おもちゃにプラスアルファをしたものなんですけれども、ものが動くものを、コンピューターで制御するというところで、どんな制御方法があるかなということを、理論的なところも含めて少しずつ、 出来るとこから動かしてみようと始めています。コンピューターの回路とかを、学生に設計して作らせています。 実は、これは、いろんなセンサーがついています。今、スバルの車とかで、障害物があると、停まるというCMがありますよね?あれのミニチュア版をやっていたんです。

NTIC:じゃ、これは、止まるんですか?

宮崎:止まるというか、よけます。右側に障害物があると、左によけるようになっています。

NTIC:これは、ラジコンとかではなく?

宮崎:ラジコンです。なので、操縦ができます。操縦して遭遇する危険に制御をかけます。右側に障害物があった場合に、右に曲がれと操縦しても、右に曲がらないで、左に曲がります。正面に障害物がくると、止まるようになっています。そういう制御になっています。市販の色々なコンピューターを色々組み合わせて、作ってます。プロコン(汎用機械/プロセス制御コンピュータのシーケンサ)という、操縦桿とこれの間を繋ぐところの間に回路を自分たちで作っています

かるがもロボット

宮崎:これ(図2)は、大きなアーム型ロボットなんです。が、これは、古いタイプなんですが、新しいのを今年あたりから、また作ろうと考えています。 NTICが出来たときに、メカトロニクス研究交流会というのがありまして、地元の企業とかと一緒にしていました。魚沼の方から、除草するロボットを作ろうということで、作りました。南魚沼の方で、夏場休んでいるスキー場のリフトの上に、イネを干して、自然乾燥させたようなのを、高く売るようなことをやっていました。今は、消費者も手強くなっていて、何か一つプレミアを付けようということで、無農薬がいいだろうということで考えました。それで、草取りをどうするんだとなりました。高齢化も進んでいるし、かるがも農法というのもある。また、メカトロニクスでということになったときに、魚沼って、機械加工の会社も多いですし、そういうノウハウも持っている。では、一緒に作りましょうということで、作ったのです。

NTIC:これは、どのように動くのですか?

宮崎:歩きます。

NTIC:え?歩くのですか?すごいですね。

宮崎:ここのところに、こんなの(図3)がついていまして、本当は、泥をかきわけるために、つけていたのです、動かしているうちに、草を取れる、そういう機能があるとなったのです。ここで、草をふんで、とったり、沈めたりします。

NTIC:需要がありそうですよね。楽しみですね。

宮崎:うまく動けば。あとは、これは、一応試作(初号機)なので。笑

NTIC:これは、自動的にですか?リモコンで?

宮崎:リモコンで動かしています。これと(車)と似ているのですよ。こっちで作ったものをベースに、こっちで拡張しているので、これから、こういうのをやりたいなと。

NTIC:これって、アーム。アームって腕ですよね?これに、何か付けるのですか?

宮崎:これは、2関節、ここと、ここ(肩・肘)だけが動くようなものを作って

NTIC:垂直だけですね?垂直多関節ですね?垂直多関節が動く形なんですね。

宮崎:こんどは、これを90度縦にします。人間の腕と同じ関節。つまり、人間の腕って、肩の筋肉と、肘の筋肉と、もうひとつ、肘と肩を両方動かせる筋肉というのがあって、それを、遊星歯車というのを作って、実現させたいなと思っています。また、これはその先の「たら・れば」の話で、まだ計画をたてている段階なんですけれども、水平体にして付ける、あとは、もう一つ関節をつけて、こうこうと。ここも制御できるようなものを作って、モーション制御の視点をつくっていきたいなと考えています。

NTIC:色々広がるのですね?

宮崎:動くものがいいかなと思っています。こういうところに乗っける回路を少しずつブラッシュアップしていけたら。色々な技術を使って、効率だとか、あとは、エコですね。電池が長持ちするとか、そういうのを考えながら、こういうのをやっていけたらいいかなと考えているのです。

 

位置位測定

NTIC:他には、何かしたいことがありますか?

宮崎:手元に資料がないのですが、もう一つあります。今、車の中にカーナビがついていますよね。あそこには、加速度センサ(図4))というのが入っています。 それを計算して、位置が測定できるというものです。ですが、トンネルに入ると、GPSがとれない。なので、もう少し、単独で付けようということになりました。加速度センサーだけを使って、こういう移動体のところに、載せると、スタート地点がここだよというというと、今どこだよという、位置位推定をするというのを、もう3年ぐらい、高専の学生さんと一緒にやっています。だいぶうまくいくようになってきました。
加速度センサー自体は、こんなに小さい。で、安いです。勿論高いものもあって、高いのは、電源がないと使えないのですが、10万とか20万とかします。安いのは、5300円くらいです。それを電池でうまく使って、やっていこうと。それを車だけにつけるのではなく、広げていこうと思っています。
船とか飛行機には、管制航行装置というのがあります。自分がどのくらいの、速度ではなく、加速度でどのくらい動いたかで、そういうのがわかる装置があります。それは、めちゃくちゃ高いのですが、それの安い版を作ろうと。そんなことを、やる予定にしています。

制御のモデルベース

NTIC:制御系でいうと、もともと、先生は、ハードやさんですか?ソフトやさんですか?

宮崎:ソフトやさんよりの、ハードをやります。学生のころは、基本的には回路は作ったりしていました。制御回路のプラットホームのベースを作って、その上で、プログラムを書いて、実験する、もしくは、シミュレーションするということをしていました。

NTIC:県内でも、受託生産で、開発している会社って、結構あります。そういったところに、これからやることを、持ち込ませていただくチャンスはあると思うのですね。単刀直入に聞くのですが、通常の制御と比べて、ちょっとこんなところに、特徴があるのだよなというのが、簡単に説明できたら、売りになるのですけれども

宮崎:基本的には、わたしは、モデルベースがほとんどです。実は、小さな工作機械のメーカーさんとも、お話をさせていただいたことがあるのですが、どうしても、シーケンシャル的なお話ですね。モデルというものはなくて、ただ、動かすために、いろいろな調整が行われるというのがほとんどでした。やはり、そこには、コストという概念があるので、どうしても、そこは踏み込めないところなんですけれども。低コストかつ、モデルベースのより正確なもの、かつ、安いもの。そこには、バランスがあると思うのですけれども、そんなものを提案出来たらいいなと思っています。
私がそのお話をさせていただいてから、システムの方でも改善・改良がされていっていますし、今、コンピューターを使って何かをすることは、別に不思議なことではなくなっています。それを逆に逆手にとって、モデルベースというところを、是非そこを主軸にしていきたいなと思っています。

NTIC:そうすると、完全にCPUを使った制御系を組むということですね?

宮崎:いろいろな企業さんともお話をしていくと、どうしても、モデルベースだけでは、達成できない部分もあったりするんで、そういうところと折り合いをつけながらということになるかと思います。実際、どうなんでしょうか?

NTIC:おっしゃるように、メンテナンスが容易なので、シーケンサーを使います。シーケンスは、その順番どうりに、動きが決まっていきますから、ミスの改善を見付けやすい。CPUで全体を制御しようとしたときには、組んだ人がいないと難しいですよね?
でも、それを観ることがたやすいところまで、システムが組めると、ある程度コスト的なことも含めて、使いたいと思っていると思うのですね。色々と複雑な動きに対応しようとすると、CPUで制御するというケースの方が大きくなってきますから。 だから、とっても複雑なことが出来て、有効なことが出来るんだけれども、いざ、何かあったときには、その本人しか判らない。そこに、きっと大きなネックがあって、広がっていってない。

宮崎:どうしても、モデルベースにすると、ワンクッションありますんで。例えば、モーターを回すにしても、昔は、ドライバーという装置(ハードウェア)をもってきて、そこの、5ペアという抵抗を自分で調整することによって、制御して、性能がよくなったという、調整方法ですよね。だから、現地にいても、そうやって出来る。相手方が、たまたまそうやって出来るという、今も結局、CPUの中に入っているのは、それに相当する、波長をいくつに変えろとか。そういうところになると思うのですけれど、それだと出来ることが限られてきてしまいます。
私も高専時代に、NICOがやっている組込ソフトウェアの人材育成の事業に、少しだけ参加させて頂いていたんですけれど、どうしても、機械制御というのをやったりとか、どうしても、そこがネックだということで、最近ツールも増えてきていますし、そんなツールを開発したいなと思っています。この値を直接変えるというのではなく、こっち側の数値を変えると、これがよくなるよという指針が出せるようなシステム、そういうシステム作りというのが、多分大事かなと思っています。

NTIC:応用範囲が一杯ありますよね。県内では、先生のやっていることは、売り込みやすい。で、逆に先生にとってみると、その研究素材になるための、ハードウェア=メカニカルなハードウェアを、これと同じようなケースで提供してもらえると、企業との付き合い方が全然違ってきますよね。まだ、なかなかお時間がとれないみたいなので、様子を見ながらですけれども。

宮崎:いえいえ、もう少し 笑

NTIC:学生さんがついて、ロボコン的な要素でこんな動きとやりはじめると、例えば、農業の分野。ちょっと複雑な動きが必要だったりしますよね。そういったところに、シーケンサーを積むというのは、ちょっと考えにくいので、とっても、有効に使える気がします。

宮崎:そうだといいですよね。もう少し落ち着いたら、色々な形を探ってみたいと思っています。そのときは、宜しくお願いします。