高度技術者研修


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高度技術者研修2009年度

 

 

開催日

平成21年10月6日(火)・10月7日(水)・10月19日(月) 

会場 長岡技術科学大学 総合研究棟7階会議室
テーマ 国際規格の安全原則で不安を解消するモノづくり
受講資格 本分野に関心のある現職の技術者等
募集人員 30名
受講料 7,200円
研修概要

 技術立国を目指すわが国も、「安全」に関しては、後進国と言わないまでも、 開発途上国のレベルだと言われてもしかたがない。教育と訓練で、事故を防ぐのは得意なのだが、世界が正当と認めるやり方ではない。モノに限らず、 「責任」もいまやボーダレスである。自由貿易が警戒するのは、事故そのも のよりも、事故に伴う責任の問題である。特に、技術的に可能な対策を怠ったために起こる事故による不祥事を最も嫌がる。それを避けるため、国際規 格は、安全の設計原則(ISO12100)を定め、これを、事前に果たすべき説明 責任の原則としている。安全技術の遅れで、わが国のモノづくりに不安を大 きくさせているのである。
  長岡技術科学大学専門職大学院システム安全系が、グローバルに通用する 安全技術者を積極的に育成するという目的で設置されて3 年が経とうとしている。安全の設計原則を共有し、それに基づく工学技術を習得する。しかし、 初めの彼らの頭では、「安全は管理による」の強い思い込みがあり、安全の設 計原則の存在に混乱を表す。グローバルな安全の人材育成は、目のうろこ剥 がしから、例えば次のように始まる。
  煙や熱で火事を検知して通報する火災報知機は、もともと火事を通報できない。なぜなら火事で一緒に燃えていると考えなければならないからだ。同 様に、地震センサも地震で揺らされて、特に大きな地震では通報どころでは ない。このような危険の通報は日本製の基本だが、実は国際的に通用しない。正しい地震センサは、地震がない時に通報して、地震の時は通報を止めると いう構造(安全確認型という)である。故障を考えれば、日本製の「安全」の限界がよく分かる。
  原子力発電プラントでは、緊急時のプラントの操作原理を、「止める」、「冷 やす」、「閉じ込める」と分かり易い。しかし、よく考えてみれば、緊急時、 ミスが許されないような操作を人間に強制するのはおかしい。むしろ、人間には「すぐに逃げなさい」と指示すべきではないか。現に、国際規格の設計 原則によれば、緊急時はプラント自らが「止まる」、「冷える」、「閉じこまる」 となるように設計し、人に依存してはならないとされている。
  国際規格は、刑法上問題となるような事故を対象としていない。あくまで も事故はアクシデント(accident は偶然の意味がある)であり、また、アク シデントであれば、設計者の責任の限界を認めるべきだとされる。アクシデ ントであれば、認証が取れるし、保険が効くし、訴訟の心配はないし、モノ づくりは不安なく解放される。しかし、アクシデントとは認められないよう な事故だと、正反対である。場合によっては底なし沼の形相を呈する。
  本研修では、安全の国際規格の真意を理解することによって、「本来あるべきモノづくりとは何か」について学ぶ。

研修日程

1日目(10/6)

13:00〜13:30

ガイダンス

13:30〜15:00

事故と安全の歴史
・機械安全の歴史と災害
・大型システムの災害

15:10〜17:00

システム安全と安全のグローバル化

  • ・労働安全と製品安全
  • ・PL(製造物責任)と保険制度
  • ・安全の理念とISO/IECガイド51
2日目(10/7)
13:30〜15:00

安全の国際化とモノづくり(T)

  • ・安全の設計原則とISO12100
  • ・リスクアセスメント手法とモノづくりの責任
15:10〜17:00

安全確認型システムと安全技術

  • ・フェールセーフとフォルトトレランス
  • ・安全技術とインタロックシステム
  • ・安全確認システムの事例
3日目(10/19)  
13:00〜15:00

安全の国際化とモノづくり(U)

  • ・第三者認証制度とCEマーキング
  • ・サービスロボットの安全、原子力発電所の安全、他 安全認証事例
15:10〜16:00 フェールセーフのデモンストレーション
16:00〜17:00 自由討論

 

主催 長岡技術科学大学
後援 長岡市
長岡商工会議所
NPO法人長岡産業活性化協会NAZE
長岡技術者協会
長岡技術科学大学協力会
(財)長岡技術科学大学技術開発教育研究振興会