文部科学省国立大学改革強化推進事業「三機関(長岡技術科学大学,豊橋技術科学大学,国立高等専門学校機構)が連携・協働した教育改革」におけるグローバル・イノベーティブモデル構築事業として、長岡技大 中山忠親准教授、小笠原渉准教授、函館高専 松永智子助教、旭川高専 松浦裕志准教授、沼津高専 専攻科1年 笹本菜摘さん、旭川高専 本科5年 此下亜椰さん、長岡技大 修士2年 馬場将亮さんがイギリスのブリストル大学、オックスフォード大学を訪問しました。
ブリストル大学においては、Simon Hall講師ならびにSean Davis講師から生命化学と無機化学を融合した新しい学術領域に関する講義を受け、そのための実験設備の見学を行いました。特にバイオ分子をテンプレートとした超伝導材料合成について、超伝導の基礎から実際の実験装置、無機合成を行う際の試薬管理、試料の調整方法、加熱などの処理方法、得られた材料の分析方法など、多岐にわたる丁寧な指導を受けました。
オックスフォード大学においては、各カレッジや図書館の見学と、材料工学科のRichard Todd教授からオックスフォード大学および材料工学科に関するレクチャーを受けました。その後はフリーディスカッションを行い、産学連携のあり方、研究室の運営法や就職先についてなど、多岐にわたる質問にご指導いただきました。
実質3日程度の短い訪問ではありましたが、同大学に留学経験や共同研究経験のある長岡技大の教員が引率することで高専の若手教員と学生の両方にとって密度の濃い内容となり、イギリスの大学について知ることができました。
学生には公共交通機関の乗り方、食事や買い物などの日常生活についても自発的に取り組んでもらい、現地の教員や学生と積極的に話す機会を多く設けることで英語でのコミュニケーションを深め、多くの経験をしてもらうことができました。 今回の訪問で高専の若手教員においては、国際共同研究および教育手法の伝授、高専学生の海外研修の手法と注意点に関する学び、英語による現地教員とのネゴシエーション力の向上がはかられました。また、高専および本学の学生においては研究に関するモチベーションの向上、英語コミュニケーション能力の実践的研修、先端的研究の体得、グローバルに活躍出来る研究者に必要な素養とその涵養方法について多くのことを学ぶことができました。