農水省が「『知』の集積と活用の場」として48機関(H28.12.8現在)に委託展開している「研究開発プラットフォーム」の1つ、「ICTでつなげる地域共生アグリ・バリュースペース研究開発プラットフォーム」のワークショップが、12月16日新潟県長岡市の「まちなかキャンパス長岡」にて開催されました。
「研究開発プラットフォーム」は7つの研究領域で展開されていて、この「ICTでつなげる-」は、農林水産業の情報産業化と生産システム革新のため、組織・分野・地域等の垣根を超えた連携によって新たな商品化・事業化を目指し、大学、研究機関、企業、自治体など約30機関から構成されたオープンな活動母体となっています。
「ICTでつなげる-」ワークショップは全国各地で開催されていて、長岡での開催は初めて。今回のワークショップには、58人の学生を含む85人が参加しました。ワークショップの始めには、本事業を中心的に運営する鶴岡高専教授の神田和也氏から、このプラットフォームについて説明があり、ICTを活用して“むら”や“まち”の地域コミュニティをつなぎ、持続可能な地域コミュニティを実現できるようなアグリ・バリュースペース創出の支援を行うとともに、強いブランドや農産品の開発、自給力・自活力ある地域コミュニティ実現に向けた各種研究開発を行っていくことを目的としていることや、ICTと農業という異業種のメンバーが連携することで、新たな技術やシステムが創生され、熟練農家の高い生産技術(暗黙知、経験則)の形式知化による技術共有等を通じて生産性や品質の向上、低コスト化のメリットを期待できるということについて、参加者全員で理解を深めていました。その後、長井啓友氏(ウォーターセル(株)代表取締役)、山内正仁氏(鹿児島高専教授)、小倉忠克氏((株)ニコンインステック)の3名から、各分野の最新情報について講演があり、参加した学生からも積極的に質問をしている姿が印象的でした。
このプラットフォームに参加している機関の中には、農水省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)の「ICT活用農業事業化・普及プロジェクト」の一環として、低価格な環境情報センサー、生育情報センサー、作業情報センサーの開発を目指した「情報工学との連携による農林水産分野の情報インフラの構築」(平成26~28年度 農研機構生研センター)も手がけていて、三機関連携事業で整備されたGI-netを活用した情報交換により、効率的に研究が推進されていることも知ることができました。
(岸本真一)