“生体ナノマシン” 蛋白質の分子設計 ~蛋白質の熱安定性・変性状態の可逆的会合過程、蛋白質加水分解酵素の産物阻害効果、一 本鎖核酸との結合性に関する蛋白質物性学、蛋白質工学~
分子生物物理学研究室
研究室教職員

城所 俊一KIDOKORO Shun-ichi
物質生物
教授
- TEL:
- 0258-47-9425
- FAX:
- 0258-47-9425

早乙女 友規SAOTOME Tomonori
物質生物
助教
- TEL:
- 0258-47-9438
- FAX:
- 0258-47-9438
専門分野
1.生物科学:生物分子学
研究分野
天然蛋白質(酵素や核酸結合蛋白質など)の立体構造安定性・触媒活性・結合性について高精度熱測定を中心とした物性測定等に基づいて、熱力学的により深く理解することをめざしている。さらに、これらの知見や技術を利用して、化学工学や医療工学で有用な高安定性・高活性・高結合性を持つ蛋白質を立体構造に基づいて合理的に分子設計することをめざしている。また小型球状蛋白質の複雑な熱変性の原因として高温での可逆的なオリゴマー(RO)形成を観測し、さらにアミロイド線維の前駆体である可能性が示唆された。そこで僅か一残基のアミノ酸置換によってROを効果的に阻害するための分子設計法の開発を目指している。
主要設備
1.高精度断熱型示差走査熱量計
2.圧力摂動型熱量計
3.紫外・可視蛍光分光光度計
得意とする技術
1.生体分子の溶液構造(分光・X線・中性子線)解析技術
2.生体分子及びリガンド設計技術
3.生体分子の立体構造安定性解析技術
4.酵素活性解析技術
産学官連携実績・提案
1.産業用高機能酵素の開発
2.生体分子を利用したナノテクノロジーの応用
交流を求めたい分野
1.蛋白質工学
2.生物物理学
3.熱測定
4.酵素活性の評価
上記のいずれかにあてはまる研究者の方々と交流できれば幸いです。特にDSC装置を用いた蛋白質の熱安定性評価を中心に行っています。
メッセージ
生体高分子(蛋白質・核酸・糖鎖など)の熱測定を長年手掛けており、現在では小型球状蛋白質の複雑な熱変性の原因とされる「高温での可逆的なオリゴマー(RO)形成」に注目しています。もし生命現象を物理化学の視点から解き明かしてみたい、またはDSC装置を用いた蛋白質工学の研究に興味があれば、ご連絡いただけると幸いです。
図1 生体分子測定用の高精度熱量計