半導体ナノ構造と有機半導体のテラヘルツデバイス応用
~光と電波の中間にあたるテラヘルツ・赤外領域の新機能~
ナノエレクトロニクス研究室
研究室教職員
鵜沼 毅也UNUMA Takeya
電気電子情報
准教授
- TEL:
- 0258-47-9518
- FAX:
- 0258-47-9500
- 研究者詳細
専門分野
1. 物性:半導体、電子材料、光エレクトロニクス
研究分野
1.化合物半導体におけるナノ構造の設計と量子伝導・光学遷移のデバイス応用
2.有機半導体における伝導ダイナミクスの解明およびデバイス応用
3.テラヘルツ時間領域分光における新たな解析・評価手法の開発
主要設備
フェムト秒チタンサファイアレーザー(時間幅可変1台・波長可変2台)
テラヘルツ電磁波放出・検出素子
フーリエ変換赤外分光光度計(中赤外顕微鏡付1台、遠赤外~可視域1台)
超高真空走査トンネル顕微鏡
反射・透過分光式膜厚測定システム(近赤外~可視域)
分光用クライオスタット(4K~室温2台、77K~室温1台)
得意とする技術
1.テラヘルツ・赤外光機能をもつ半導体ナノ構造の設計および分光測定
2.共役系高分子の分子鎖配向処理および複素伝導度評価
3.透過測定の困難な電子材料・デバイス構造のテラヘルツ利得評価
4.情報理論や因果律に基づくテラヘルツ放射パルスの絶対位相解析
産学官連携実績・提案
1. 半導体超格子におけるテラヘルツ利得は、キャリアの反転分布を伴わない新奇な光増幅機構から発生し、外部バイアス電界による周波数可変性をもつことが分かってきています。次世代のコンパクトなテラヘルツレーザーに求められる、室温動作や波長可変動作への応用展開が考えられます。
2. ドープされた共役系高分子におけるキャリアの局在度合いを複素伝導度スペクトルから定量的に算出することができます。フレキシブル透明電極などの用途で望まれる導電性向上を目指して、テラヘルツ分光の知見を高分子合成やドーピングの段階にフィードバックすることが考えられます。
交流を求めたい分野
1.半導体材料を用いたナノ構造の作製
2.テラヘルツ領域の半導体レーザー素子に適した共振器や導波路の作製
3.高い品質または新奇な主鎖・側鎖構造をもつ共役系高分子の合成
4.有機薄膜デバイスの作製と高速動作化
メッセージ
光波と電波の中間にあたる未成熟なテラヘルツ・赤外領域の機能性に重点を置き、無機半導体(超格子構造など)と有機半導体(共役系高分子など)の両方を対象として研究を進めています。半導体材料におけるナノ構造・分子構造の設計性を駆使して量子効果を操り、次世代の固体テラヘルツレーザーやフレキシブル電子デバイスの基盤となる物性を調べています。
- 図1 30fs級の超短パルスレーザーと手作りのテラヘルツ利得計測システム
- 図2 GaAs/AlAs超格子のテラヘルツ複素伝導度スペクトル[Physical Review B 81, 125329(2010)]。伝導度の実部が負になっている周波数領域で増幅利得が発生する。