開放特許抄録集化学関係
整理番号:0074
高硬度材料
切削工具、金型、各種摺動部材への硬質被膜コーティング用 等
発明者
- 鈴木 常生
- 末松 久幸
- 八井 浄
発明の目的
従来は、金属等の切削加工時の工具や被加工部材の冷却用として潤滑油による湿式切削を行うのが普通でしたが、本発明は被切削物に付着した潤滑油の洗浄工程を省いて乾式の高速切削にも耐え得る高硬度でかつ耐酸化性等に優れた高硬度材料を製造します。
概要
高硬度材料の組成として、硬質被膜中のマグネシウムの含有量が、硬質被膜を形成する金属元素を基準として30~50原子%で、マグネシウム原子対酸素原子の比が約1:0.3~1:0.8としたもので、基材表面に、マグネシウム及び酸素を含有するCrN型の窒化クロムからなる岩塩型結晶構造を形成しており、その硬度はビッカース硬さで3000~3900Hvの硬質被膜を形成しています。
特徴・効果
従来の加工用潤滑油を用いた湿式切削に代えて、高速の乾式切削にも耐え、ビッカース硬さで3000~3900Hvで、かつ、高硬度で耐酸化性等に優れた硬質被膜を基材表面に形成した材料であるため、切削工具や金型、摺動部材等として幅広い分野に利用できると共に、従来のように被加工物に付着した潤滑油の洗浄工程も不要で生産コストの低減や環境への影響懸念もありません。
発明の詳細・図面等
【特許請求の範囲】
基材表面に、マグネシウム及び酸素を含有するCrN型の窒化クロムからなる岩塩型結晶構造を有しビッカース硬さが3000~3900の硬質被膜を形成した高硬度材料において、前記硬質被膜中のマグネシウムの含有量が、硬質被膜を形成する金属元素を基準として30~50原子%で、マグネシウム原子対酸素原子の比が1:0.3~1:0.8であることを特徴とする高硬度材料。
$00A0
【詳細】
高硬度材料製造装置1は、レーザー発生装置2、発生されたレーザーを集光するレンズ3及びウィンドウ4を備えた円筒形のチャンバー5、該チャンバー5減圧用のポンプ6、該チャンバー5に置換ガスを供給する置換ガス供給源7により構成されます。
まず、装置1を用い、チャンバー5内に、基材8と基材表面に硬質被膜形成材料のターゲット9を対向させて配置します。次いで、チャンバー5内をポンプ6により減圧し、置換ガス供給源7からアンモニアガスを供給してチャンバー5内を置換し、その後レーザー発生源2から発生させたレーザーをレンズ3で集光し、ウインドウ4を通じてターゲット9に照射し、基材8上に薄膜を堆積させて硬質材料を形成します。
$00A0
高硬度材料製造装置の概要図
製造装置の外観図
$00A0
ライセンス情報
- 特許登録番号
- 第4701386号
- 登録日
- H23年3月18日(2011年)
- 権利満了日
- R6年3月25日(2025年)
- 実施許諾
- 可
- 権利譲渡
- 否
事業化情報
- 実施実績
- 無し
- 許諾実績
- 無し
特許に関するご質問は、お問い合わせ票をご利用ください。
お問い合わせ票 ダウンロード