開放特許抄録集情報関係
整理番号:0112
画像処理装置及び画像通信方法
画像と状況情報の伝送・伝達技術
発明者
- 岩橋 政宏
発明の目的
従来、例えば撮影画像のディジタル映像信号を送受信する場合、当該画像すべてを符号化して送受信していたため、画像通信装置間における通信データの総量が膨大で通信時間も長く、さらに通信に要する帯域が広いという問題があることから、装置間で通信すべきデータ量を低減し、かつプライバシーコンシャスな画像通信を実現可能とすることを目的とします。
概要
まず、画像通信装置にて人物領域が、(a)アウェアネス情報を含む基本階層(低帯域又は高帯域の上位ビットプレーン)と、(b)追加情報を含む拡張階層(基本階層以外の帯域と基本階層に属する帯域の下位ビットプレーン)とに分けられます。次いで、アウェアネス情報を含む基本階層には、(1)人物領域のみ、(2)上位ビットプレーンのみ、(3)優先された一部の帯域のみが含まれるようにして、通常のアウェアネス表示時に要するデータ伝送量は少なくします。これにより低ビットレートでの通信が可能となります。
特徴・効果
基本階層のデータと拡張階層のデータを合わせた全体の符号量は、基本階層と拡張階層の2つに分離せずに符号化した場合の全符号量と等しいことから、通常は超低ビットレートの通信で全符号化データの一部である基本階層のデータを送信してアウェアネスを再生表示させ、必要な場合のみに全符号化データを通信して映像信号を再生表示させるので、通信に要するデータ伝送量を大幅に低減し、かつプライバシーコンシャスな画像通信が可能となります。
発明の詳細・図面等
【特許請求の範囲】
人物が存在しないときに撮影された背景画像及び人物が存在するときに撮影された動画像を複数種類の帯域信号に帯域分割するとともに、動画像から背景画像を各画素毎について減算する変換手段と、上記変換手段にて背景画像を減算された動画像の帯域信号から人物領域を同定して当該領域の帯域信号を出力する人物領域抽出手段と、上記人物領域抽出手段より出力される人物領域の帯域信号における各画素値をビットプレーンに分解するビットプレーン分解手段と、上記ビットプレーン分解手段によりビットプレーン分解された人物領域の各種帯域信号のうち高域の帯域信号の上位のビットプレーン又は低域の帯域信号の上位のビットプレーンをアウェアネス情報を表示させるための基本階層に分類し、上記基本階層以外の上記ビットプレーン分解手段によりビットプレーン分解された人物領域の帯域信号を拡張階層に分類する階層化手段と、上記階層化手段により分類された上記基本階層及び上記拡張階層のそれぞれのデータをエントロピ符号化する第1の符号化手段とを備え、受信側にてアウェアネス情報を表示させる第1の状態では上記基本階層の符号化データを送信し、撮影された元の動画像を受信側にて再生表示可能とさせる第2の状態では上記基本階層の符号化データに加えて上記拡張階層の符号化データを追加送信することを特徴とする画像通信装置。
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【詳細】
背景画像や動画像を帯域分割部11で各種帯域信号に変換します。次いで、各々の帯域信号を背景差分部12で画素毎に差分処理し、その結果から人物領域抽出部13で人物領域を同定し、その領域の帯域信号を出力します。次いで、人物領域の帯域信号の各画素値をビットプレーン分解部15でビットプレーン分解して機能的階層化部16にて人物領域の帯域信号のビットプレーンをアウェアネス情報表示のための基本階層とそれ以外の拡張階層に分類しさらにエントロピ符号化部17で分類された階層をエントロピ符号化します。
なお、通常は基本階層のデータのみを伝送し、必要に応じて拡張階層のデータを追加伝送するようにして、装置間での通信データの総量を低減します。
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画像通信装置(送信側)の構成例
ライセンス情報
- 特許登録番号
- 第4934808号
- 登録日
- H24年3月2日(2012年)
- 権利満了日
- R7年10月12日(2026年)
- 実施許諾
- 可
- 権利譲渡
- 否
事業化情報
- 実施実績
- 無し
- 許諾実績
- 無し
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